しかし決して中国のように「私」が万円している地ではなく…
日本と歩んだ時代に受け取ってくれた「日本精神」を今の宿して…
「公」の感覚を育てようとしている。




SUMMARY
台南から高雄に戻り、ホテルでKindleのすぐ読める台湾の歴史の本はないかと探していたところ、
目についたのがこの漫画でした。
小林よしのりさんはぴぴ世代だと「おぼっちゃまくん」の印象が圧倒的に強いのですが、
実はこのゴーマニズム宣言シリーズを中心とした、政治思想や時事ネタに意見する漫画を
数多く執筆されています。
この本は一冊まるごと使って、台湾の戦前から戦後の歴史と、
台湾と日本・中国の関係性を、描いています。
実際の本だと月刊ジャンプの厚さ以上ありそうなボリュームですが、価値あるものでした。
  • 教科書を読むだけでは想像しにくい戦前、戦後の台湾の生活状況が漫画でよくわかる
  • 膨大な参考文献をもとにストーリーが構成されており、網羅的に歴史がわかる
  • 李登輝元総統、陳水扁元総統など普通では絶対に会えないリーダーのインタビューも含まれており、生活視点以外の視点も体感できる
もちろん歴史観を扱っている以上、描き方には賛否両論あると思いますが、
何が争点なのか、その背景は何があったか、考えるきっかけになります。
全体感つかむと、関連する本もかんたんに読みすすめることができます。

INSIGHT
食い入るように読んだのですが、それまで知らなかった台湾の歴史の一面を垣間見ました。
  • 台湾のアイデンティティは日清戦争以降、日本統治→中華民国と混在してきたこと
  • 戦前の日本統治下は植民地化というネガティブな反面、インフラ整備・生活水準の向上というポジティブな面もあったこと
  • 日本統治下時代の基礎が物理的にも精神的にも今の台湾に受け継がれていたこと
  • 蒋介石が台湾に避難して以降、中国からの外省人という新たなアイデンティティが持ち込まれたこと
  • 中華民国建国以降は独裁国家の一面があり、悲劇的な事件も多く起こったこと
  • 李登輝総統の就任が戦後台湾を変える大きなターニングポイントになったこと
日本だと台湾は美食国で旅行に行きやすい国、くらいのイメージをもった人が、
圧倒的に多いと思うのですが、実は李登輝総統就任前(1988年前)は、
今よりずっと自由が少ない時代です。
今ほど親日でもないし、言論も制限されていたと言われています。
それでもなお親日国と呼ばれるようになったのはなぜなのか。
冒頭でも取り上げた、「日本精神」というキーワードが鍵なのではないかと感じました。

NEXT
次回は「日本精神」のテーマを深堀りし、なぜ親日国と呼ばれるのかを紐ときます。
日本に近い国だと知ってるつもりになっている場合が多いのですが、
教科書やニュース、旅行で見る台湾は、歴史の上澄み駅でしかありません。
今の台湾が形成されたメカニズムがわかると、違った視点で台湾が見れるので、
ぜひ読んでみてください!